毎年、寒くなってくるとインフルエンザの予防接種を受ける方が多くなってきますが、受けないと言う方もおられます。
そこで、インフルエンザの予防接種を受けるか迷っているという方に、インフルエンザの予防接種の効果と、受けた事による副作用などついてお話が出来ればと思います。
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インフルエンザの予防接種の効果
実は、インフルエンザワクチンには感染を予防する効果はないと言われています。
感染とは、ウイルスが鼻や口の粘膜から体に入り細胞内で増殖することです。
しかし、厚生労働省の報告によれば、インフルエンザの発症と重症化を抑える効果はあると報告されています。
インフルエンザの予防接種の効果は、研究班の分析では、65歳以上の高齢者はインフルエンザワクチンの接種によって発症リスクを34~54%、死亡リスクを82%減らせる。
また、0~15歳では1回接種で68%、2回接種で85%、16~64歳では1回接種で55%、2回接種で82%の発症予防効果があったという報告があります。
しかし、どの年齢でも効果が100%ではないと言う事になっています。
ウイルスが身体に入ってくるのをどうしても防げないという原因は、感染の防御には気道の粘膜免疫が重要だからです。
ウイルスをここでやっつけてしまえば身体に入ってきませんが、インフルエンザワクチンでは粘膜には効果がないためウイルスが身体に入ってきてしまいます。
そういう意味では、
予防接種を受ける事で一度はインフルエンザウイルスに「感染」してしまいます。
ウイルスが身体に入ると、
ワクチンの効果で抗体がたくさん作られて免疫力が一気に高まります。
このように、ウイルスに感染したとしても免疫のスイッチが入り、感染が広がっていく前にやっつけようとするので症状が軽減するのです。
症状が出なければ、インフルエンザにかかった事すら気づきません。ですから、発症の予防という形に繋がります。
予防接種を受ける事で「発症を防ぐ」だけではなく、「人に感染させない」ことも効果にあると言うことを理解して下さい。
インフルエンザの予防接種の副作用とは
インフルエンザワクチンを接種すると注射針を刺した近辺が赤く腫れたり、かゆくなることがあります。
これを副反応(副作用)と言いい、
体内に入ったワクチンにより抗体が作られることで起きる症状です。
通常は2日もすれば治るので心配する必要はありません。
しかし、赤い腫れが広がったり呼吸が苦しくなったりした場合は、アレルギーによる「アナフィラキシー」が考えられるので注意が必要になります。
インフルエンザワクチンの製造には、ニワトリの卵を使用されていてそのタンパク成分が残っており、卵にアレルギーを持っている人が摂取すると、アナフィラキシー症状が出てしまう可能性があるので注意して下さい。
卵アレルギーを持っている人はワクチンの接種は控えるようにしましょう。
次に報告されているのが「ギランバレー症候群」です。
ギランバレー症候群とは、ウイルスや細菌性による感染症が発症した後、1週間から3週間程度で「両足に力が入らない」「足が痺れる」などの症状が表れる病気です。
この症状は筋力の低下から出るのですが、症状は急速に拡大して「足全体」から「上腕部」にまで及びます。
ギランバレー症候群が悪化すると「麻痺」の状態になることがあり、「四肢麻痺」「顔面麻痺」さらには呼吸ができなくなる「呼吸筋障害」までをも発症させてしまいます。
このように重症化すると人工呼吸器を使用しなくては、生命を維持することさえ不可能であり早期に対応することが必要となります。
ギランバレー症候群は、感染症が引き金と考えられていますが、ワクチンでも発症することが確認されています。
インフルエンザワクチンにおいては
接種後2週間目をピークとして症状が出る危険性があります。
<厚生労働省>
「H26年シーズンのインフルエンザワクチン接種後の副反応報告について」では、ワクチン接種総数52,378,967件に対して副作用(副反応)報告が244件(0.0005%)、その中の重篤報告が99件(0.0002%)となっています。
また重篤化した人の中には体力のない幼児や高齢者が相当数含まれており、「1歳~9歳」「80歳以上」がほぼ半数を占めています。
上記の内容を読むと心配になりますが、これらのことからインフルエンザワクチンの接種において、副作用が出る確率はゼロではないですが全く気にするレベルではないと思います。
最後に
深いところまで知ってしまうと、少し怖い思いをさせてしまったかもしれませんが、この記事を読んで頂いてインフルエンザワクチンについて、少しはご理解頂けましたでしょうか。
これから予防接種を受けるかどうか悩んでいる方に少しでもお役に立てれば幸いです。