桜の咲く季節が近づいてきました!
桜といえば、お花見!お花見をしないと春を迎えた気分にならない!という人も多いのではないでしょうか?
もちろん、日本に住んでいれば桜は当たり前の存在ですが、海外にいると桜を見る機会は少なくなります。それも、日本の桜並木のような壮大な景色を見ることは非常に少ないでしょう。
はたして、外国で花見の風習はあるのでしょうか?
ちょっと、調べてみました。
日本伝統のお花見とは
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桜が好きなのは日本だけ?なぜお花見をしたり桜を楽しむの!?
春と言えば真っ先に浮かぶのが…そう、桜!!満開の桜の下で乾杯なんか一度はやってみたいです! 夜の桜なんて見ていると、幻想的な気分になっちゃいませんか? しかしここで疑問が… 「なぜ日本人はお花見するの ...
まず、日本のお花見の風習の歴史を勉強しておきましょう。
日本最古の花見の宴は、平安時代の嵯峨天皇による「花宴の節」が、お花見の始まりだと言われています。
弘仁3年(812年)に神泉苑で開かれたことが『日本後紀』の記録に残っていて、『凌雲集』には、その際に天皇が詠んだと思われる「神泉苑花宴賦落花篇」と題された漢詩も収められています。
そして、花宴は恒例行事となっていったようです。
源氏物語第八帖「花宴」に登場する右大臣の六の君(朧月夜)も、紫宸殿で開催された花宴の後に光源氏と出会いました。
光源氏は、この宴で漢詩を作り舞を披露したとあることから、かなり盛大な内容だったのでしょう。
平安時代までお花見の宴は京だけで開催されていましたが、鎌倉時代になると、地方遠征の武将たちが花見の風習を全国に広げたのです。
『徒然草』は、鎌倉時代末期に吉田兼好が書き記したと伝えられる随筆ですが、田舎の人たちが、お酒を飲み歌を詠みながら花見をする様子が描写されています。
お花見で思い出される武将は太閤秀吉です。豪華絢爛を好んだ秀吉は桜の花を愛し、さまざまな趣向でお花見を楽しみました。
特に、醍醐山に700本もの桜を植樹し、1300名の客を招待した「醍醐の花見」は有名です。
参加女性は宴の最中に二度着替えるようにと、それぞれに三着の衣装を与えられたそうです。
吉野の山に桜を植樹したのも、秀吉だと言われています。吉野山の花見には5000名が繰り出されたと言われています。さぞかし豪華な宴を催したのでしょう。
庶民に花見が広がったのは江戸時代
現代でも、河川敷に桜の名所は多いですよね。
戦のない江戸時代になると、町民たちの間で、歌舞伎や人形浄瑠璃などのさまざまな文化が花開きました。
徳川家康の側近であった天海僧正は、幕府から譲り受けた土地に桜を植樹し、それが現在の上野恩賜公園で、当時から桜の名所とされました。
また、徳川吉宗も浅草隅田川の河川敷に桜を植樹し町人たちによる花見を奨励したと言われています。徳川吉宗は、質素を好んだ将軍ですが、桜の花の美しさには魅了されたようですね。
落語の『あたまやま』で、サクランボを種ごと食べてしまった男の頭に桜の樹が生え、人々が花見に集まってきて騒がしくなったと語られているように、お弁当を食べ、お酒を飲む花見はこの時代に始まりました。
花見に桜餅を食べる風習も江戸時代に生まれています。ちなみに、関西と関東では「桜餅」の形態が違います。関東の桜餅は小麦粉を水で溶き、薄く焼いたものであんこをくるんだものに、桜の葉を巻き付けたものです。
一方、関西の桜餅は、もち米を乾燥させた「道明寺粉」を蒸して戻し、これであんこを包んでいます。
関東の桜餅は、隅田川の向島にある長命寺の門番・山本新六が作り始めたと伝わっており、もともとは墓参りの人をもてなすものだったとされています。
その後、隅田川に桜が植樹され、お花見の客でにぎわい桜餅が流行したようです。
関西の桜餅は、長命寺の桜餅の人気を知った北堀江の土佐屋が始めたとされています。つまり、桜餅の始まりは江戸なのです。
外国でもお花見はあった!?
さて、外国はどうなんでしょうか?
アメリカのワシントンでは100年前に日本から贈られた桜がすっかり根付いて、毎春桜フェスティバル「全米桜まつり」が行われています。
この全米桜祭りは毎年春の2週間にわたって、ワシントンの街全域で開催される大規模なお祭りです。
日本とスタイルは違いますが、お花見はありました!桜を楽しんでいる事に違いはありませんよね!
100年を超える歴史を持つ桜並木がポトマック川を彩る。全米随一の桜の名所と言えば、ワシントンDCのポトマック河畔。
1912年、当時東京市長だった尾崎行雄が日米親善のために約3,000本のソメイヨシノの苗木を米国に贈ったのがはじまりです。
そのうちの約1800本は日本の桜を代表的するソメイヨシノです。
ほとんどがポトマック川の入り江のジェファーソン記念館付近に植えられました。
一世紀以上を経た今でも、毎年春には川岸に覆いかぶさるように満開の花を咲かせ、人々を楽しませています。
濃いピンクの花をつける八重咲のカンザンや淡い色合いの大輪のイチヨウなど他の11品種、約1,200本の桜は、イースト・ポトマック公園に植えられました。
桜の季節のワシントンDCでは、豪華絢爛な桜フェスティバル「全米桜まつり」で盛り上がります。
ワシントンDCで開催されるものとして、「全米桜まつり」は、年間を通じて最大規模のイベントとなのです。
今やワシントンDCの春の風物詩となった「全米桜まつり」には、各地から多くの人が集まり、かなりの経済効果もあります。
コンスティチューション・アベニューで恒例のパレードが実施されます。多彩なゲストのパフォーマンスで大いに盛り上がります。
最終日には、ウォーターフロントで花火が打ち上げられお祭り気分は最高潮に!
そして、スポンサーブースで配られるドリンクや露店で売られるフードを片手に、日暮れ前から港に集まり、メインイベントを待ちます。
午後8時半からのファイヤーワークスショーでクライマックスを迎えて、1ヶ月近く続いた桜のフェスティバルはフィナーレとなります。
終わりに
桜のお花見は日本だけの風習だと思いがちですが、ワシントンDCでは100年以上も前から日本の桜が植えられ、今でも市民に大切にされています。
最近は、日本ブームで世界各国から日本を訪れる観光客が増えただけでなく、日本で桜のお花見をする外国人の数もえました。
でも、日本以外でも何年も前からお花見文化があり、しかも、桜を100年以上も大事に育てていてくれていたとは、嬉しいですね。