突然、ニュースにて台風が通勤経路に直撃するという情報を入手!
自分のことよりも、日頃お世話になっている上司は大丈夫かなーってなりませんか?
「通勤中に風で吹っ飛ばされてないだろうか」
「冠水している川に落ちたりしていないだろうか」
「ずぶ濡れになって一人寂しく泣いていないだろうか」
心配でいても立ってもいられない!電話だ!
いや、待て、、、こんな台風で心配したくらいで電話したら怒られるかな?緊急の用事だと思われちゃうかな?
じゃあ手紙!現代だとメール!これなら手を煩わせないし、それに文字の方が思いが伝わるということもあります。
この心配で心配で不安な愛しい気持ちを是非とも上司に伝えたい!さっそく文章を打つぞ!
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Re.おはようございます
〇〇課長 台風が通勤経路に直撃するとの情報を入手しましたので
気を付けて出社してください
××課 △△
-----END-----
よし、完璧!…なのかな?
そもそも・・・台風なんかでわざわざ心配のメールを送ること自体が失礼なのか?わからなくなってきました。
さて、今回は「気をつけて」という心配で不安な気持ちを伝えたい時、敬語でどう表現すればいいのか、
日常的なビジネス会話の正しい使い方をご紹介したいと思います。
これまでずっと正しいと思って使っていた言葉が、実は相手に不快を与えていたということもあるかもしれません。
知らないうちに自身に対する上司の評価を下げないためにも、そして・・・
「あいつはこんなにも私を心配してくれていたんだな、なかなかええ奴じゃのぉ」と思われるように、「気を付けて」の正しい敬語表現を確認していきましょう。
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目上の方に失礼なく「気を付けて」を伝えるには?
そもそも「気を付けて」の意味とは何なのか。
「気を付ける」とは本来「注意、用心して事に当る」という意味。
これに助詞である「て」を付けると「気を付けて」になり、「注意、用心して物に当たれ」という呼びかけになるということですね。
さてさて、次は実際に「気を付けて」を使ってみましょう。
まずは逆の立場で考えてみましょう。
もし自分の通勤経路に台風が直撃し、そろそろ出発しようとしたら、部下や後輩から、
「△△さん、台風が近づいてきたというニュースはご存知かと思います。それでも気をつけて出社してきてくださいね!」
と言われたらどう感じるでしょう。
「お、おう…気遣いサンキュー?」かな・・・。
嫌な気はしない…でもちょっとモヤっとした何かが残りませんか?
この場合の正しい「気を付けて」は、「出社する際はどうかお気をつけくださいませ」です。
「お気をつけて~ください(ませ)」が、一般的に使われる「気を付けて」のスマートな敬語です。
もう一つの表現としては、
「台風が近づいて大変危険な出社になると思います、お気をつけになってください」
という「お気をつけ(になって)ください」が一般的です。
これまでの助言を踏まえた例文がこちら。
「〇〇課長。おはようございます。
台風が近づいてきており、大変危険な通勤になると思いますが、どうかお気をつけていってらっしゃいませ。
甚だメールにて失礼致します。無事に出社されるよう心から祈っております。それでは改めて連絡させていただきます。」
ちょっと堅苦しいかな…(笑)
「お気をつけてください」はちょっと普通すぎるな~。
もうちょっと別の言葉で心配の気持ちを伝えたいなと思ったら、この「気を付けて」をさらに別の言葉に置き換えることができます。
それは「ご自愛ください」です。
「自愛」の意味とは・・・自分を大切にすること。
自分の健康状態に気をつけること。「時節柄ご自愛ください」
自分の言行を慎むこと。自重。自分の利益を大事にすること。利己。「自愛主義」
倫理学で、自己保存の本能に基づいて、自己の幸福を求める自然的性向。
物を大事にすること。珍重すること(コトバンクより抜粋)
一番上にあるように自身を愛するとは、「自分を大切にする」という意味がやはりグッときます。
「気を付けて」とほぼほぼ似たような意味ですよね。愛という言葉が付く分、こちらの方が心配の気持ちが伝わるかと思います。
ビジネス敬語をスマートに使いこなすには?
自分が言われて「ん?」となるようなビジネス敬語は、やはりどこかしら間違っていると認識された方がいいと思います。
やはり、大切なのが言われた本人がどう感じるかというのを一番に考えることが、スマートにビジネス敬語を使いこなすワンステップといえるでしょう。
あとは常に冷静に!テンパったり、調子に乗ったりするとふとした言葉で相手を傷つけることになります。
言葉は刃物!使い方を間違えると厄介なことになりますよ!
まとめ
いかがでしたでしょうか?
もちろん敬語の使い方で人間のすべてが決まるわけではありません。使えれば「わぁ素敵♪」というプラスの意味合いのほうが当然強いです。
大事なのは想いを伝えるという姿勢と心意気ということです。
デキる大人は、時と場合と場所をわきまえて敬語を使いこなすもの。
正しい敬語を知らないがゆえに相手を傷つけて不快な思いをさせてしまったり、頑張って思いを伝えて奮闘するも、結果おかしな表現になってしまい恥をかいちゃったりしては悲しすぎます。
内に秘めた思いをスマートにかつストレートに伝えるためにも、ぜひ参考にし上司さんと良い師弟関係を築いてください。
それでは良いビジネス敬語ライフを!