年末や春の歓送迎会シーズンとなると張り切っちゃう、嬉しくなっちゃうかたはいるかと思います。
それは会社のメンバーと親睦を深めながら、そして労いながら過ごす楽しい時間だからかもしれません。
日頃ゆっくりと話す機会がなかったりするので、この機会を利用してさらに社員同士のつながりを深める意味でも、飲み会は大切なもの。
もちろん送別会で、職場の仲間や上司が離れてしまうようなシーンは悲しくもなりますが、それでも、それまでお世話になったこと、感謝の気持ちをお酒の入ったカジュアルな雰囲気の中で伝えることができるのは素敵なことですよね。
このような会社で行われる「飲み会」に欠かせないのが「御手を拝借」して行う一本締め。
お開きの時、締めには欠かせないパフォーマンスですが、いつもおきまりのようにやっているだけで意外とその意味や違いについて知らないことも多いかと思います。
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皆さん一本締めと聞いたらどちらのことを言っていると思いますか?
①ちゃん(1回拍手)
または、
②ちゃちゃちゃん、ちゃちゃちゃん、ちゃちゃちゃん、ちゃん(3回拍手を3回+1)
一本締めだから「ちゃん」だけでしょ、と思っている方が多いかと思いますが、実は。
②の「ちゃちゃちゃん、ちゃちゃちゃん、ちゃちゃちゃん、ちゃん」。こちらが一本締めなのです。
三本締めというのも聞いたことがあるかと思いますが、これは、②の一本締めを三回することです。
では、「ちゃん」の1回だけのものは何というのかというと「一丁締め」もしくは「関東一本締め」と言います。
何だかややこしいですね。
では、なぜ一本締めは、10回も手を叩くのでしょうか?
それは9回叩くといのは、9イコール苦しむ、苦労する、にさらに一回叩く、一つ足して丸になることから「苦労した結果、全てが丸く収まる」という意味があるそうでうす。
こう言った一本締めのスタイルは、歌舞伎の公演の際に関係者によって形となっていって、やがて一般に広がっていったということです。
この歌舞伎から始まったという「一本締め」。では「三本締め」との違いは何なのでしょうか?
三本締めは、舞台上から役者さんが公演の終了時に上手、下手、真ん中にそれぞれ挨拶をすることを、「三方礼」といい、これは、全ての人に礼を尽くすという意味で使われるもの。
三本締め、つまり一本締めを三回とは、この三方礼が由来となっているということです。
また、三本締めにの3回には、それぞれに意味があり、1回目はその回の主催者、2回目は来賓や来客、3回目はその会自体、また出席できなかった人へ向けたものと言われています。
結婚式などの祝い事のフォーマルな席では、正式な手締めとされている「三本締め」を行うことが多いようです。
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一本締めの地域性と違い!?
この一本締め、三本締め、一丁締めには、地域差もあるようです。
ここでそれを紹介したいと思います。
一番多いのが「一本締め」
作法としては、
- 「お手を拝借」
- 「ィヨーオッ」
- 全員で手拍子 「ちゃんちゃんちゃん、ちゃんちゃんちゃん・・・」
次に多いのがフィーマルな三本締め
三本締めのお作法は、
- 「お手を拝借」
- 「ィヨーオッ」
- 全員で手拍子 「ちゃんちゃんちゃん、ちゃんちゃんちゃん・・・」
- 「イヨッ」
- 全員で手拍子 「ちゃんちゃんちゃん、ちゃんちゃんちゃん・・・」
- 「もう一丁」
- 全員で手拍子 「ちゃんちゃんちゃん、ちゃんちゃんちゃん・・・」
次に簡単な「一丁締め」です。
一丁時めのお作法は、
- 「お手を拝借」
- 「ィヨーオッ」
- 全員で手を叩く 「ちゃん」
全体的に特に大きな地域差はないようです。
一本締めは、全国的に普及しているもの。三本締めは、一本締めから派生されたものになるため、やはり地域にかかわらず普及しているもの。一丁締め/関東一本締めは、関東中心ですが、東北や関西の方もちらほら見られます。
皆さんの地域ではどうですか?
一本締めをきれいに行うための下準備とは?
これがバラバラになってしまうと何だか後味の悪いものに。
特に一本締めと、一丁締めを間違って解釈していることが多いかと思うので、特に下準備として打ち合わせをすることです。
自分が音頭をとる場合、一本締めの解釈が本来のものでも、人によっては、一丁締めと思って拍手一回で終わるものと思っているかもしれません。
やる前に、「ちゃん」、の一回だけですよ、とか、「ちゃんちゃんちゃん、ちゃんちゃんちゃん」の方ですよとかわかりやすく付け加えておきましょう。
そうすると綺麗に決まりますよ。
締めは大切
鍋料理の締めもその鍋の美味しさを評価するくらい、大事で、また締めが美味しかったらより印象に残りますよね。
同様にパーティーの締め、も重要なのです。綺麗に終わらせて、印象深いものにして盛り上げていきましょう。
そして門出を祝したり、繁栄を願ったり、思いも込めて行いましょう。
とても日本らしい文化の一つと言えると思います。