最近よく耳にする、奨学金の問題。
筆者も学生時代、奨学金を申請した方が
いいのでは?と両親に持ちかけたところ、
「奨学金は後から大変だから申請しない
方向で考えなさい」と言われたことが
あります。
私もよく奨学金の制度について理解して
いなかったため、素直にその言葉に従った
ものでした。
なぜ今、奨学金が返せない事態に陥る若者
が増えているのでしょうか?
奨学金を返せない若者が増加中!返せない理由は就職事情の厳しさか!?
就職難が囁かれた時期に奨学金の返還
が困難になる若者が続出しました。
そのため、奨学金制度も見直され、「減額
返還」や「返還期限猶予」といった制度が
設けられました。
しかし、状況はあまり改善されていません。
近年、新卒の就職率は上昇傾向にありますし、
初任給も平均値が上がったといいます。
それでも奨学金の返還がうまくいかないのは、
なぜなのでしょうか?
厚生労働省が発表した2018年度の「賃金
構造基本統計調査」によれば、新卒の平均
初任給は「20万6700円」なのだそうです。
その給与から、「健康保険料」「厚生年金
保険料」「雇用保険料」「所得税源泉徴収」
などが引かれていきます。
手取りは平均で16万円程度になるようです。
実家暮らしであれば十分な額に思えますが、
就職を機に一人暮らしを始める人は多いか
と思います。
その月収から、毎月家賃や光熱費、食費、
交際費など…。
諸々引かれると、自由に使える額はわずか
ですし、急な出費のことを考えると、月収
をすべて使い切るなんてことはできません
よね。
返せないのは奨学金にも問題が?奨学金制度の実態とは?
奨学金には「給付型」と「貸与型」があり
ます。
文字通り、全額返さなければならないのは
「貸与型」の奨学金です。
では、就職後の奨学金の返還は、毎月どの
程度の額になるのでしょうか?
大学四年間奨学金をもらっていた場合を例
にすると、毎月1万3千円~2万6千円程度
の支払いが、14年~20年続くことになります。
一応、毎年の所得に応じて、奨学金の月々の
返還額は変化するようですが…
当面の生活が苦しくなることは間違いありません。
…何が言いたいのかと言えば、奨学金を返す
のに回すお金を作るのが難しい!ということ
です。
とはいうものの、借りたものをきちんと返す
のは、当然の義務です。
さっき少し触れましたが、月々の返還額が
負担になるのであれば、「減額返還」の制度を
使用して、一時的に返還額を減らすこともでき
ます。
もちろん、減らした分だけ期間も延長されて
しまいますが、うまく制度を活用しながら返す
しかないのです。
まとめ
ここまで、若者の就職率や奨学金制度との因果
関係について探ってきました。
返せない若者が単純に悪いようにもみえますが、
筆者はこうも思います。
きちんとはじめに「借金である」という自覚
をもたせて奨学金を貸さない、提供者側にも
問題があると思うのです。
大学でも説明会などは開かれますし、ネット
でも検索すれば奨学金がどのようなものなのか
は書かれていますが…なんといいますか、読み
づらいという印象を受けました。
大学生活に向けて浮足立つ若者たちは、きっと
読み飛ばしてしまうだろう文章。
そのように感じました。実際、両親に説得される
までの筆者もそうでした。
勉学に励む若者を支える為の「奨学金」ですから、
「借金」と同等と思いたくない気持ちはわかり
ますが、奨学金に苦しめられるのは、紛れもなく、
奨学金を「借金」とも知らず借りてしまっていた
彼らなのです。
奨学金のことをネガティブに語ってしまいましたが、
奨学金があるおかげで、学びの場を得られた人も
たくさんいるのは、確かなことです。
その制度を失くさない為に、利用する側はしっかり
と提供者の意図を理解し、先を見据えて、返還の
プランを頭に描いておきましょう。
奨学金にお世話になった人は、しっかり地道に返還
していきましょうね!