2017年3月の「森友学園問題」を皮切りに、
突然耳にするようになった「忖度」という
言葉。
「森友学園問題」では、目上の者への「配慮」
の意味で「忖度」という言葉が使われました。
加えて、最近では目上の人間から直接の命令
はなくても、意向をくみ取って自主的に従う、
という権力者に気に入られるための行動の意味
でネガティブに「忖度」の言葉が使われること
が多いですね。
辞書で調べてみると「他人の気持ちを推し量る
こと」と書かれているけど、世の中に広まって
いるイメージとのギャップもあって、いまいち
ピンとこないと思いませんか?
そこで今回は、忖度の意味をどうにかわかりやすく
解説したいと思います!
忖度の語源は?
まずは忖度の語源についてですが、初出は五経
のひとつで、中国最古の詩集である「詩経(小雅・
巧言)」だと言われており、「孟子・梁恵王上」
のなかでも引用されます。
その章句とは「詩云、他人有心、予忖度之」で、
詩経でいわれるように、他人には心があり、私は
これを推し量るという意味です。
辞書の意味もここから来ているのかなと思い
ます。
ちなみに日本での初出は平安時代菅原道真の
「菅家後家」だといわれています。
「忖度」という字は、どちらも「はかる」という
意味を持ちます。
「度」という漢字はわかりやすく、主に目盛りの
意味を持ちますが、ほかにも、心や器量、様子と
いう意味なども持っています。
そして「忖」という漢字には、「脈をはかる
ように他人の心をはかる」という意味も含まれ
ます。
脈をはかるように、という慎重な様子からも
わかるように、相手の状態を確認し、把握した
上で、相手の身になって気持ちを察する動きで
あると理解して良いと思います。
ある程度互いを理解した関係の上でないと
成り立たない言葉なのかもしれませんね。
「忖度」と文字にすると、どうしてもお堅い印象
になってしまいますが、このように考えていくと、
日常に「忖度」の機会は山ほどあるのです!
こんな時に使う!
最初にも話したように、今では目上の人の意向を
くみ取るときにしか使わない言葉のように思えます
が、さきほど説明したように「忖度」とは相手のこと
を理解した上で、相手の身になって考え、行動する
ことを指す言葉なのですから、むしろ家族や友人に
対して「忖度」という言葉を使う場面が、実は多い
のかもしれませんね。
しかし、だからといって日常会話や文章の中で、
しいて「忖度」という言葉を使う必要はないのでは?
と、個人的には思います。
長くなりましたが、最後にもう一度「忖度」について
まとめます。
「忖度」とは、相手の事情を理解したうえで気持ちを
汲み取り、行動することを指す言葉です!