妊娠している方で、天候の変化や台風の接近などで、体調が悪くなる人がいるとよく耳にます。そのような症状を気象病と言います。
気象病とはどんな病気なのでしょうか。また、気象病は妊婦の方全般に起きることなのでしょうか。
低気圧の変化で体調不良になるって本当?気象病ってこんな症状!
気象病とは、お天気の移り変わりの影響で起きる不調の総称です。この気象病を訴える人は、全国に推定1000万人にも上るそうで、気のせいだなどと言ってはいられません。
症状が出ている人を検査をしても原因は見つからないことが多いが、自立神経が乱れがちな人に良く起きることが知られています。
低気圧や気温の変化、台風の接近などが起きると、身体がストレスを感じ、そのストレスに抵抗するために自律神経が活性化され、特に交感神経が興奮して症状が生じるのではないかと考えられています。
症状は、頭痛、耳なり、めまい、吐き気、喘息、古傷の痛み、関節痛、神経痛、うつや不安症などがあり、妊婦さんの場合、これらの症状に加え、お腹のはり、つわり、お産の近い人なら陣痛を引き起こす場合もあります。
妊婦さんは気象病になりやすい!天気と体調の深い関係性!
妊娠していないときは無縁だった気象病が、妊娠したら見られるようになるのはどうしてなのでしょうか。
その一つの答えが、ホルモンバランスの乱れです。妊娠によって、女性の体内ではホルモンの量が増加を見せ始めます。自律神経のバランスを整えるホルモンが不安定になると、自律神経の乱れにつながります。
また妊娠中には血圧が不安定になります。なぜかというと、妊娠中は、普通のときよりも体内の水分量が増加していて血液の1.4から1.5倍になります。そのために血圧が変化しやすくなるのです。
さらに血液は増えても赤血球や白血球などの血球成分は増えないため、薄い血液が妊婦の体内をめぐります。このことが原因で体調の崩れや気分が悪くなったりしやすいのです。
また妊娠中は、ホルモンの量も大きく変化して、バランスも崩れます。そのため、自律神経が乱れ気圧による変化にも敏感になっていると考えられます。
身体がむくんだり、つわりが悪化するのは、水分調節が上手くいかないため、お腹が張ったりするのも、血液中の酸素濃度も薄くなるためと言われます。
そんな酸素濃度の低下は、自律神経の乱れにつながりますので、酸素を身体に取り入れるように軽いストレッチは深呼吸も、症状を軽減させるために行います。
交感神経と副交感神経の調節が上手くいかないことが、不定愁訴の原因なのですが、妊娠している女性の場合、それが激しく表れてしまうようです。
妊娠中は、血液の量が5割も増えること、汗をかきやすいこと、栄養が子供に行くために酸素や栄養が不足すること、運動量が減ること、睡眠が不足すること、そんな様々な異常な状態が体内で起きているということを、自覚している妊婦さんはいないと思います。
しかし、それらの異常な状態(つまり妊娠)を正常化しようとして、身体の中では目まぐるしくい変化が起きているために、気象病が現れるということのようです。そういう意味では、気象病は、自分自身を守るために起きているといえます。
妊娠中の気象病を軽減させるには
お腹のハリが気になる程度ならいいですが、程度によっては陣痛を起こしてしまうこともありますから、日ごろから医師へ自分の不調の傾向を知らせておく必要があるでしょう。
気象病を軽減させるには、自律神経を整えるような生活をすることが必要になります。経験のある先輩ママに相談して、気分を良くする良い方法を教えていただくのもいいでしょう。
食事をとらなかったり、寝不足になったり、水分をとらなかったり、必要以上に体に負担をかけることはよくありません。
自分もはもちろん、周りの家族も妊婦の体に起きていることをしっかり把握して、具合の良くないときには感情移入をしていたわりの言葉をかけてあげることで、妊婦のストレスは大いに軽減することでしょう。