天気予報とかで度々耳にすると思われます。
霰(あられ)雹(ひょう)みぞれ(霙)の三つ。
いつもなんとなく聞いているこの気象用語。
何がどう違うのか説明しろと言われたら答えられますか?
さらにもう一つ似たような気象用語として「ゆき(雪)」もあります。
もしかして雪が変化していって「あられ」「ひょう」「みぞれ」になるのでは?
と思われている方もいるのではないでしょうか。
というわけで今回は・・・
「あられ」「ひょう」「みぞれ」の明確な差をご紹介ついでに、
雪との関係についても考察したいと思います。
まずはあられ(霰)についてご紹介!
あられは積乱雲から降る直径5㎜以下の氷塊のことをいいます。
空気中に含まれている水蒸気によって雲の中に氷塊が発生します。
これは上昇気流によって常に上に向かって浮いてますが次第に落ちていきます。
しかし、この上昇気流が激しい時。
氷はなかなか落ちてくることが出来なくなり、
雲の中で上へ急上昇したり急下降したり、
まるで雲の中でシェイクされているように扱われます。
そして、このシェイクで下に落ちたくても落ちれない氷塊は次第に大きくなっていきます。
やがて、上昇気流でさえも支えられないほどの重みになったら、
重力に逆らえず自然に落ちます。
そして、あられには「雪あられ」と「氷あられ」と二種類に分けられます。
「雪あられ」は雲の中の水蒸気同士が瞬時にくっついた状態のあられのことです。
このあられは隙間を空けてくっつくので、
まるで本当のあられのように中に空洞がいくつかできます。
これにより、地面に落ちた時の衝撃で壊れやすい特徴があります。
「氷あられ」は「雪あられ」と違って、
水蒸気同士がゆっくりとくっついた状態のあられのことです。
こちらは隙間を埋めるようにくっつくので中に空洞ができません。
よって地面に落ちても固く壊れにくいのが特徴です。
お次は、ひょう(雹)についてご紹介!
ひょうの発生する根本的なメカニズムはあられと同じです。
あられと異なる点は何か?それは氷塊の大きさの差です。
あられが直径5mm以下に対し、
ひょうは直径5㎜以上の大きさのことをいいます。
5mm以上ということは、
時にはゴルフボールほどの大きさのひょうが降って農作物が傷んでしまったり、
「車の窓ガラスが割れた!」という被害報告もあります。
また、そこまで大粒だと傘では防ぎきれません。
障子に手を突っ込んで破るかのように、ひょうが傘をぶち抜いてきますので、
大粒にひょうが降ってきたら、
すぐにでも安全な固い屋根のついてる建物の中に避難しましょう。
車の窓ガラスをぶち抜くひょうが頭に当たると致命傷になりかねませんので、
ヘルメットを着用しましょうね。
最後はみぞれ(霙)です!
みぞれは、ひょうやあられのように氷塊ではないということが大きな差です。
雨に混じって降る雪や溶けかかって降る雪のことです。
最もわかりやすい例えが「みぞれ鍋」です。
みぞれ鍋(みぞれなべ)は鍋料理の一種。大量の大根おろしを用い、
火が通って半透明になった姿がみぞれに似ていることからそのように呼ばれる。
雪鍋、雪見鍋、あわ雪鍋とも言われる。
Wikipediaより抜粋
このみぞれ鍋に入ってる大根おろしを見ればわかるように、
形をやや保ちつつも、ほとんどが水…というまさに溶けかかった雪。
ちなみに気象観測の分類上ではみぞれは雪と鑑定されるので、
もしも、冬シーズン最初にみぞれが降ったら、それが初雪となっちゃいます。
縁起が良いような悪いような…。
「みぞれ」「あられ」「ひょう」の違いは・・・
一見難しそうにみえますが、それぞれの粒の大きさが違うと考えれば簡単です。
ということは、「あられ」も「ひょう」も「みぞれ」も同じ雪ということなのか?
みぞれは、雪の仲間です。
しかし、雪と「みぞれ」にあって「あられ」「ひょう」にはない物があるものがあるんです。
それは「結晶」です。
恐らく見たことあると思いますが六角形のような形をしたものです。
これの有無が決定的な差といえるでしょう。
英語だとあられとひょうは同じ?
おもしろいことに、
英語では「ひょう」と「あられ」は同じ単語なんです。
「hailstone」といいます。
「hailstone」は可算名詞なんですが不可算名詞や動詞だと「hail」になります。
可算名詞として「hailstone」とある辺り、
ひょうが大きなものなんだなということがわかりますね。
日本語だと「ひょう」と「あられ」は違う漢字で用意されているもの。
英語だと同じ一つの単語しか用意されてません。
このままだと、
外国人に「あられ」ッテナンデスカー?って聞かれたら「hailstone」
ジャア「ひょう」ッテナンデスカー?って聞かれたら「hailstone」
「オナジヤナイカーイ!」って言われちゃいますね(笑)
ちなみに「みぞれ」は「sleet」といいます
こちらは不可算名詞と動詞です
季語から見る感性
俳句の季語では同じ現象でできる。
「ひょう」と「あられ」の季語が実は異なっています。
なんと「ひょう」は夏、「あられ」は冬の季語ですので、
「夏なのにひょうが降ってる!?マジ!?」ではなく、
「あー夏だからひょうが降ってら」ということになります。
この辺も面白いところですね(笑)
実は驚くことじゃないんですねービックリです。
まとめ
いかがでしたか?
霰(あられ)雹(ひょう)みぞれ(霙)の違いがわかりやすく伝わったのなら幸いです
これからはふと雪が降ったらサイズを調べて、
「これはあられだ!」となっちゃいますかもしれません。
自然の神秘とは本当に不思議なもので中には「細氷」という美しい光景も作り出します。
細氷(さいひょう)とは、大気中の水蒸気が昇華してできた、
ごく小さな氷晶(氷の結晶)が降ること。ダイヤモンドダストとして有名である
Wikipediaより抜粋
北海道の決まった地域の早朝で見れるそうなので是非見てみてはいかがですか?
それでは良い雪ライフを(/・ω・)/