夏は浴衣の季節ですよね。
夏には夏祭りがあったり、花火大会があったりして
浴衣を着て外に出かける機会も多くなりますよね。
女性にとって、夏に浴衣は必須アイテムです。
浴衣を一揃い用意しておくのも悪くはないでしょう。
また、夏には日頃から浴衣を着るという人も
おられるかもしれません。
そんな浴衣についてですが、その素材にも
いろいろあるのをご存知ですか?
今回は、その中でも透ける素材絽について
みていこうと思います。
お気に入りのものが見つかると良いですね。
透ける素材―絽とはどんな浴衣か?
絽は江戸時代に夏に使用する生地として作られた織物で、
紗から形を変えて生まれ出たものです。
その種類は大別して、生糸で編む生絽と半練り糸で
編まれる練絽の二つに分かれますが、
他に糸の折り方の違いなどによって
様々な種類に分かれます。
基本的には羅や紗と織り方は同じですが、
絽は7・5・3本毎に横糸に2本の経糸を
互い違いにして織っていき、
その仕上がった物を七本絽・五本絽・三本絽と言います。
繊維は主に絹、綿、人造繊維が用いられ、
その原糸は生絽(生糸)、練り絽(絹糸)、
綿絽、人絹絽に分かれます。
そしてからみの柄と向きによって平絽(緯絽)、綾絽、
変化絽(紋、紗、市松、斜、うずら、かぶと、ほら)、
経路、経緯絽があります。
これらは、夏着物、長襦袢。
帯、半襟、羽織、カーテン地などに使用されます。
絽は「搦(から)み織り」という方式で
レース状になるように織られた生地です。
ここで、よく比較される素材の絽と紗と羅の違い
についてみていきます。
これら3つの織り方はどれも捩る(もじる)といい、
織るときに糸を絡めで隙間を作る織物である
と言うことです。
最初に羅から見ていきましょう。
羅は人間国宝の北村武資氏の活躍で有名ですが、
捩り織りとしては最古の織り方で、
正倉院供物の中にも所有されています。
北村氏はそれを現代によみがえらせたことで
人間国宝に選出されました。
その構造は、経糸4本を一組としそれを複雑に絡ませて、
その間に真っすぐに緯糸を通します。
それは織るというよりも編むという感覚に似ている
と言えるでしょう。
糸が斜交いになり、そのせいで
捩じりに強くなる構造になっています。
次に紗です。
紗は最も単純な捩り織りです。
透けていて、経糸一本について緯糸二本を交差させます。
羅と比べて羅の特殊な機を使うのに対して
通常の機で織ることが可能です。
経糸2本を絡ませて、そこに緯糸を通して隙間を作ります。
生地全てに均等に経糸2本の隙間が生まれるので、
生地全体がうすものになり、透けて見えるのです。
紗は構造が単純で、平織りと組み合わせることができます。
そうして色々に柄を作り出したものを紋紗と呼びます。
その他帯で、すくい織りと組み合わせる技法があります。
捩らなくても目の粗い帯の事を粗紗と言います。
もっともポピュラーなのが絽です。
絽は、平織りと紗を組み合わせた形の織物になります。
何段か隙間のない平織りを織り、
その後隙間のできる紗を織ることによって、
筋状の隙間が出来上がります。
先に述べたようにこの隙間を七・五・三毎に織ると
それが七本絽・五本絽・三本絽になるのです。
強撚糸を使用した絽縮緬は単衣の物であり
盛夏ではありません。
緯糸を使って隙間を作る一般的な絽と 、
経糸を使って隙間を作る経絽がそれぞれあります。
絽の浴衣を着こなす時の注意点!
絽は縦糸を撚り合わせてそこに横糸を入れて
織った織物であり、織り目が他の素材と比較して粗く、
透けて見えるのが特徴と言えます。
涼しく軽量の絽は、夏の盛りの文字通り
盛夏に使用される着物であります。
以前では7・8月に着るものとされていましたが、
近年の気温上昇のおかげで6月下旬でも
使用可能という考えが受け入れられてきています。
9月になると、暑さはまだまだかなりあり
残暑も厳しいのですが、
季節感を意識して秋を感じさせる着物を着るのが
オシャレと考えられています。
夏ものは季節がずれていると取られるのです。
ゆえに、9月になると単衣に切り替えるのが
無難だと言えます。
絽の素材の見た目の特徴は、透けて見えやすいと
先に述べました。
従って、絽を着用する時は、下が下着のみは
お勧めできません。
特に、日中に出かける場合などは透けて見えるので、
浴衣用のスリップを着用することを強くお勧めします。
日中に出かけるのであれば、足袋と長襦袢を着用して
着物っぽくするのも良いでしょう。
長襦袢は暑くていやだという方は、
スリップ+美容袴でも大丈夫です。
まとめ
ここまで絽についてその歴史から素材の性質、
作られ方等を見てきました。
着物について最近の若い人たちは
昔に比べてあまり知らない方も増えてきているようです。
この記事を読んでくださった方は、
少なくとも着物について興味を持たれていることでしょう。
一度着物を扱っているお店に行って
品定めをしてみるのも一案だと思います。
着物で夏を乗り切りましょう。